社会一般で語られる「良い子・悪い子の違い」を客観的に精査すると、そこには子どもの人間的優劣ではなく、「大人の管理下に収まりやすいかどうか」という都合が色濃く反映されている現実が浮かび上がります。
大人が「良い子」と称賛するとき、その実態は「感情の起伏を表に出さず、親や教師の指示に先回りして従う子ども」を指しているケースが目立ちます。一方で「悪い子」と見なされる子どもは、自己主張が激しかったり、納得できないルールに抵抗を示したりしているに過ぎないことが大半です。
では、なぜ全く同じ家庭環境で育ちながら、従順な子どもと反抗的な子どもの差が生まれるのでしょうか。家族システム論の観点では、家庭というひとつの組織の中で、子どもたちが無意識に「自身の生存戦略としての役割分担」を行っていると説明されます。
第一子が親の期待を一心に背負って優等生としての役割を引き受けると、第二子は同じ土俵での勝負を避け、あえて自由奔放に振る舞うことで親の関心を引きつけようとします。家庭内の無言のプレッシャーや親の表情の機微を察知する感度の違いが、表出する行動の差異となって現れるのです。