かつては美大受験生や専門家だけの閉じた世界にあった石膏デッサンが、今やエンターテインメントの文脈で熱狂的に語られている。『ブルーピリオド』の主人公がキャンバスの前で味わう焦燥と歓喜のドラマは、Netflixのグローバル配信を通じて海外のアニメファンにも波及した。
SNSでは自室にミニチュアのマルス胸像をインテリアとして飾る若者が増え、YouTubeでは美術講師による実践的なデッサン講座が何百万回と再生される。静寂の美術史が、ポップカルチャーの熱量と交差することで、新たな息吹を吹き込まれているのだ。