ルチノーの瞳が赤く見える直接の理由は、虹彩や網膜におけるメラニン色素の欠乏です。血液中のヘモグロビンの色がそのまま外部から透けて見えるため、赤く輝いて観察されます。この発色をもたらすのは、伴性遺伝(性連鎖劣性遺伝)と呼ばれる遺伝様式です。オスが遺伝子を2つ(ホモ接合)、メスが1つ(ヘテロ接合)持つことで発現するため、一般的な繁殖環境下ではメスのルチノーが生まれやすいという遺伝的特徴を持っています。
インターネット上のコミュニティでは「ルチノーは病弱ですぐ落鳥する」という言説が散見されますが、これは半分正しく、半分は誤解に基づいています。内臓機能そのものが先天的に欠損しているわけではありません。しかし、メラニン色素が存在しないことによる構造的な弱点が存在することは臨床獣医学的にも証明されています。
最大のポイントは「網膜の遮光機能の低さ」です。メラニンが瞳に入射する過剰な光を遮蔽できないため、ルチノーは一般的な黒目のインコよりも眩しさに極めて敏感であり、強光下では視力の焦点を合わせにくい傾向があります。これにより、放鳥時に壁や家具へ衝突するリスクや、夜間の物音・急激な照明変化による「オカメパニック」ならぬ夜驚症(パニック飛翔)を起こしやすい点が、怪我や体調不良の引き金となるのです。