日本国内に数々の名コースを遺した井上誠一ですが、日光カンツリー倶楽部は彼の設計哲学が最も純粋な形で結晶化したコースの一つと評されています。大谷川の氾濫原であった平坦な地形を巧みに利用し、自然のアンジュレーションと老松・白樺の林を縫うように配置された18ホールは、一見フラットでありながらプレーヤーに緻密な落としどころの計算を要求します。
特筆すべきは、日光カンツリー倶楽部における日本オープンの歴史です。1961年の第26回大会、1996年の第61回大会、そして2003年の第68回大会と、過去3回にわたり日本一決定戦の舞台となりました。2003年大会では深堀圭一郎プロが激戦を制し、さらに近年では2026年の日本プロゴルフ選手権大会が開催されるなど、トッププロたちを唸らせるメジャー仕様の難易度を保ち続けています。
コースレイアウトにおける最大の罠は、ハザードとグリーンの配置です。ティグラウンドからは広々として見えながらも、フェアウェイの左右には絶妙な傾斜と深く効いたクロスバンカーが待ち構えます。グリーンは伝統的なベントの2グリーンシステムを維持しており、受けグリーンに見せかけて奥へ下るアンジュレーションや、周囲を取り囲むアリソン風のアゴの高いガードバンカーが、ピンポイントのショット精度を求めます。