山下達郎クリスマス・イブが毎年売れ続ける真相とギネス記録の裏側

山下達郎クリスマス・イブが毎年売れ続ける真相とギネス記録の裏側

山下達郎クリスマス・イブが毎年売れ続ける真相とギネス記録の裏側に関する専門家の意見を詳しく解説いたします。

名曲『クリスマス・イブ』が世に出た原点は、1983年6月にリリースされた山下達郎の通算7作目のスタジオ・アルバム『MELODIES』にあります。夏男のイメージが定着していた当時の達郎氏が、作家としての新境地を切り拓くべく制作した意欲作でした。

制作当時の回顧録や各種インタビューによると、本曲の原型はもともと妻である竹内まりやのアルバム用に書かれたコード進行でした。しかし、本人が「自分で歌うべき楽曲だ」と直感し、夏の盛りにスタジオへ籠もってクリスマスの情景を紡ぎ出したというエピソードが残されています。

本作の音楽的コアとなっているのが、バロック音楽の名曲「パッヘルベルのカノン」を大胆に引用した間奏部です。達郎氏が一人で8小節にわたり幾重にも声を重ねたア・カペラコーラスは、コンピュータによるピッチ補正が一切存在しなかった1980年代初頭のスタジオワークにおける最高到達点といえます。アナログテープを駆使し、寸分の狂いもなく積み上げられた多重録音の荘厳な響きが、楽曲全体に普遍的なクラシシズムを付与しているのです。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。