動画共有サービスやSNS上で頻繁に拡散される「1分で目のシワを消すマッサージ」などのコンテンツには、皮膚科学的に極めて危険なトラップが潜んでいます。
誤解1:目元をグイグイ指圧・マッサージすればシワが伸びる
眼輪筋のコリをほぐそうとして強い力で皮膚を擦ったり引っ張ったりすると、皮膚と皮下組織をつなぎとめている「眼輪筋支持靭帯(リガメント)」が伸びてしまいます。一度伸びた靭帯は自然には元の張りに戻りません。さらに、摩擦刺激はメラノサイトを刺激して色素沈着(茶クマ)を引き起こし、シワとくすみが合わさった重度の老け見えを招きます。アイクリームを塗布する際は、最も力の入りにくい薬指の腹を使い、擦らず優しくタッピングするのが皮膚科学における絶対の基本ルールです。
誤解2:美容医療でヒアルロン酸を注入すればすべてのシワが消える
目のシワ美容医療として人気の高いヒアルロン酸注入目元治療ですが、万能ではありません。皮膚の薄い目元に粒子が大きすぎる製剤を浅く注入すると、皮膚が青白く透けて見える「チンドール現象」や、凹凸・しこりが発生するトラブルが報告されています。目元の治療には、極めて粒子の細かい専用製剤を用い、解剖学を熟知した専門医による微量単位の注入技術が不可欠です。