金魚草(学名:Antirrhinum majus)は、ゴマノハグサ科(新分類ではオオバコ科)に属する植物です。園芸ファンの中には「花が終わったら抜き取るもの」と思い込んでいる方も少なくありませんが、適切な越冬管理を行えば2年目、3年目と株を充実させられるポテンシャルを秘めています。特に近年流通している宿根金魚草(アールグレイやブラックプリンスなど)は高い耐寒性を誇り、ガーデニング上級者の間でも越冬栽培がスタンダードになりつつあります。
金魚草が冬を越す最大のメリットは、「春の圧倒的な開花ボリューム」にあります。春に新しく植え付けた小苗と比べ、冬の寒さを経験しながらじっくりと地下に根を張った株は、春の気温上昇とともに一気に複数の側枝を立ち上げます。その結果、1株あたりの花穂の数が2倍から3倍以上に増加し、見事なフラワータワーを形成します。
耐寒性の限界値はおよそマイナス5℃とされています。関東以西の暖地であれば屋外での越冬が十分に可能ですが、寒波による直接の降霜や冷たい北風に晒され続けると細胞が破壊され、春を待たずに枯死してしまいます。「耐寒性がある=完全放置で良い」という意味ではない点をまず押さえておく必要があります。