この名言がなぜ、荒れ果てて暴力沙汰に明け暮れていたニコガク野球部の面々の心を動かしたのでしょうか。その理由は、言葉の構成と心理的なアプローチの緻密さにあります。
「夢にときめけ」とは、目標を持つことの純粋な高揚感を思い出させるフェーズです。不祥事によって活動停止になり、周囲から「クズ」「問題児」とレッテルを貼られていた彼らは、傷つくことを恐れて「夢を持つこと」自体を放棄していました。川藤はそこに土足で踏み込み、「夢を見ることは恥ずかしいことじゃない」と全肯定したのです。
続く「明日にきらめけ」は、行動と希望のフェーズを指します。夢(未来のヴィジョン)に心を躍らせることで、今日という鬱屈した日常が変わり、明日という未来に向かって自分自身が輝き始める。川藤が提示したのは、過去の過ちに縛られず、「目指せ甲子園」という途方もない夢に向かって今この瞬間から生まれ変わる勇気でした。