店頭に並ぶ乾燥ひじきには「芽ひじき」と「長ひじき」の2種類が存在します。これらは品種が異なるのではなく、同じ海藻の採取部位の違いです。用途や目指す食感によって選ぶべき種類が明確に分かれます。
乾燥ひじきを美味しく仕上げる下処理の鉄則は、「たっぷりの水で戻し、ザルの中で2〜3回水を替えてもみ洗いすること」です。海藻特有の微細な砂粒や過剰な磯臭さを洗い流すことで、調味料の繊細な風味が引き立ちます。洗った後は目の細かいザルに押し付けるようにして、しっかりと水気を切ることが絶対条件です。
なお、栄養面において知っておくべき重要な事実があります。文部科学省の「日本食品標準成分表」の改訂により、ひじきの鉄分数値が大幅に見直された経緯があります。かつて主流だった鉄釜製法からステンレス釜での加工が増えたことで、成分表上の鉄分値は減少しました。しかし、ひじき自体には豊富な食物繊維、カルシウム、マグネシウムなどの必須ミネラルが凝縮されています。鉄分を意識して摂取したい場合は、鉄鍋・鉄フライパンで調理するか、鉄分の吸収率を高めるビタミンC(にんじん等)や動物性タンパク質(油揚げ、鶏肉)と組み合わせて煮ることが現代の栄養科学における正解です。