生理中の性行為における危険性は、妊娠リスクだけに留まりません。女性の解剖学的な構造と免疫機能の観点から、見過ごせない3つの健康被害が存在します。
1. 膣内自浄作用の低下と細菌性感染症の猛威
普段の膣内は、善玉菌である乳酸桿菌(デーデルライン桿菌)の働きによって強い酸性に保たれ、外部からの雑菌の繁殖を防いでいます。しかし、経血が流れ出ている期間は、アルカリ性の血液によって膣内環境が中性から弱アルカリ性に傾きます。
このタイミングで細菌が持ち込まれると、細菌性膣症やカンジダ膣炎、さらには子宮口から細菌が侵入して子宮内膜炎や卵管炎、骨盤腹膜炎といった重篤な炎症へ進行する恐れがあります。
2. 経血の逆流と子宮内膜症の発症リスク
月経中、子宮は経血を外に排出しようと収縮を繰り返しています。この状態で性交渉による物理的なピストン運動やオーガズムに伴う強い子宮収縮が加わると、経血が卵管を通って腹腔内へと押し戻される「経血逆流」が促進されます。
逆流した経血に含まれる子宮内膜組織が腹膜や卵巣に生着すると、強い月経痛や排便痛、将来的な不妊症の原因となる子宮内膜症の誘発・悪化因子になり得ると指摘されています。
3. 性感染症(コンドームなしの危険性)の感染率急増
生理中の子宮頸管は、経血を排出するために普段よりもわずかに開いています。子宮の入り口が無防備な状態になっているため、クラミジアや淋菌、トリコモナスなどの病原体が子宮深部へと侵入しやすくなります。
また、血液を媒介とするHIVや梅毒、B型・C型肝炎ウイルスは、皮膚や粘膜の微細な傷から体内に侵入するため、生理中の性交渉では感染リスクが格段に跳ね上がります。パートナー双の健康を守るためにも、生理中の行為は極めてリスクが高い行為です。