誕生石の起源は古代オリエントやヘブライの祭司服に遡ります。『旧約聖書』の「出エジプト記」に記された大祭司の胸当てに飾られた12種類の宝石、そして『新約聖書』の「ヨハネの黙示録」に登場する聖都の城壁の土台石が原型とされています。これが中世ヨーロッパで占星術や月ごとの守護石信仰と結びつき、現在の誕生石文化へと発展しました。
近代的な基準が成立したのは1912年のことです。米国宝石商組合(現ジュエラーズ・オブ・アメリカ)が商業的な普及と標準化を目的に月別誕生石を制定しました。日本においては、一般社団法人日本ジュエリー協会などが中心となり、1958年に日本の風土に合わせて珊瑚や翡翠を加えた独自の誕生石リストを発表。さらに2026年12月20日、実に63年ぶりとなる大改定が行われ、新たに10種類の宝石が追加されて全29種類となりました。
一方、近年SNSを中心に爆発的な人気を博している「365日誕生日石」は、月別の枠組みをさらに細分化し、うるう年を含む366日それぞれに固有の鉱物やパワーストーンを割り当てたものです。米国の宝石学者や占星術師の提唱、さらには鉱物愛好家の研究が融合して誕生した体系であり、月別誕生石ではカバーしきれない希少鉱物や原石の魅力が網羅されている点に大きな特徴があります。