ネット上の掲示板やSNSでは、ツアー開幕直後に「back numberのセトリは全公演でほぼ固定されており、ネタバレを見たら初日の感動が薄れる」といった意見が散見されます。しかし、綿密なデータ追跡を行うと、これが一種の誤解であることが分かります。
確かに、アリーナやスタジアムクラスの巨大公演では、大掛かりな照明プログラミングやLED映像演出、特殊効果の同期が必要となるため、骨格となる約15〜16曲の配置は固定される傾向にあります。しかし、バンドは毎公演の空気感やオーディエンスの熱量に応じて、巧妙な「日替わり曲の仕掛け」を用意しています。
具体的には、以下の3つの枠組みで柔軟なセットリスト変更が行われています。
1. 中盤のアコースティック・弾き語り枠の差し替え
清水依与吏がセンターステージやアコースティックセットで演奏する楽曲は、2デイズ公演の1日目と2日目でガラリと変わるケースが多発します。1日目に「花束」が歌われた場合、2日目にはインディーズ時代の隠れた名曲「西藤公園」や「stay with me」がサプライズ披露されるなど、古参ファンを歓喜させる配慮がなされています。
2. アンコール2曲目の会場別リアクション選曲
本編終了後のアンコール枠では、その日のMCの流れや観客のコール&レスポンスの熱気を受け、予定曲を差し替えて「青い春」や「日曜日」などのアッパーチューンを突発的に投入することがあります。
3. MCから導かれる即興のフレーズ演奏
清水依与吏がMC中に過去の苦い思い出や楽曲誕生の背景を語る中で、コードを爪弾きながら未発表曲のワンフレーズやリクエスト曲のサビをワンコーラスだけ歌い上げる場面は、ツアーの生きた醍醐味となっています。
「セトリを知ってしまったら楽しめない」のではなく、「どの定番曲がどの順序で感情を高める設計になっているかを理解し、日替わり枠のサプライズに期待する」ことこそが、現代のライブエンタテインメントを最も深く味わうアプローチです。