虎視眈々とは?意味や語源・誤用の罠をプロが徹底解説【2026年最新】

虎視眈々とは?意味や語源・誤用の罠をプロが徹底解説【2026年最新】

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多くの人が「獲物を狙う狡猾な悪巧み」というダークなイメージを抱きがちですが、虎視眈々の語源と由来を紐解くと、まったく異なる高潔な哲学に行き着きます。この言葉の典拠は、古代中国の五経筆頭に挙げられる古典『易経(えききょう)』の「頤(い)卦」に記された一節です。

虎視眈々と『易経』の記述において、本来説かれていたのは「徳の高い指導者が、民を養い世を正しく導くために、慎重の上にも慎重を期して時機を見極める姿」でした。『易経』の原文では、「虎視眈々たり、其の欲すること逐々(ちくちく)たり、咎(とが)なし」と記されています。これは、虎のように鋭い洞察力で天下の情勢を見渡し、純粋な志を遂げるために力を蓄え、最適なタイミングで行動を起こすならば、何の過ちも生じないという極めて肯定的な教えです。

歴史の変遷とともに、「獲物を狙う獰猛な捕食者の姿」というビジュアルのインパクトばかりが強調され、中世以降の軍記物や近現代の小説などを経て「油断のならない野心的な企み」というニュアンスへと派生していきました。しかし根底にあるのは、軽挙妄動を戒め、完全な準備が整うまで息を潜めるという「戦略的自制」の精神に他なりません。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。