国士舘大学柔道部の名を世界に轟かせた最大の要因は、重量級を中心とした世界トップレベルの柔道家を継続して世に送り出してきた育成力にあります。その象徴とも言える存在が、ロサンゼルス五輪およびソウル五輪の男子95キロ超級で2連覇を達成した故・斉藤仁氏です。豪快な体落としを武器に世界の頂点へ登り詰めた斉藤氏の姿は、「重量級の国士舘」という不動のブランドを決定づけました。
その薫陶を受け、アテネ五輪男子100キロ超級で金メダルを獲得したのが、現役引退後に日本男子代表監督も務めた鈴木桂治氏です。足技を駆使する華麗な柔道と勝負への凄まじい執念は、当時の特番インタビューや自著・手記でも「国士舘の道場で培われた泥臭い鍛錬こそが、土壇場での一歩を支えた」と率直に語られています。歴代の日本代表クラスに名を連ねるOBたちの足跡を辿ると、単なる技術指導にとどまらず、極限のプレッシャー下で自らを律する強靭な精神力を育む土壌が確かに存在していたことが浮き彫りになります。
強さの源泉を紐解くと、東京都多摩市永山キャンパスに構える専用道場での徹底的な稽古量が挙げられます。スローガンとして掲げられる「国士舘」の誇りと建学の精神に則り、技の切れ味だけでなく、相手を完全に制圧するフィジカルの強さと気迫が日々の乱取りで鍛え上げられます。全国各地の有力校から集った精鋭たちが、互いのプライドをぶつけ合って切磋琢磨する日常そのものが、名門の絶対的な強さを生み出すエンジンとなっているのです。