なぜ数トンの巨石がそよ風で回るのか?石の風車のからくりを解剖

なぜ数トンの巨石がそよ風で回るのか?石の風車のからくりを解剖

なぜ数トンの巨石がそよ風で回るのか?石の風車のからくりを解剖の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でまとめました。

この驚嘆すべき構造物を生み出したキーマンこそ、島根県出身の彫刻家・門脇憲二氏です。昭和から平成にかけて「動く石の彫刻(キネティック・スカルプチャー)」の第一人者として名を馳せた門脇氏は、「不動で冷たい石という物質を、いかにして重力から解放し、生命の息吹を与えるか」という壮大なテーマに挑み続けました。

門脇氏が初期の試行錯誤で直面したのは、石材ならではの過酷な物理的制約でした。金属や繊維強化プラスチック(FRP)と違い、石材は引張強度が低く、切削時の微小なクラック(ひび割れ)が遠心力によって致命的な破損を引き起こす危険性をはらんでいます。当時の制作ドキュメンタリーや関係者の証言によると、門脇氏は採石場に自ら足を運んで原石の「目」を極限まで見極め、ダイヤモンド工具を用いた精密加工ののち、数カ月間をかけて手作業で表面を研磨し続けたといいます。

「石に風を教え、風に石の重さを忘れさせる」――門脇氏が残した言葉通り、完成した御影石風車は、自然界の見えない力(風)を可視化する動的アートとして日本全国、さらには海外の博覧会や庭園でも絶賛を浴びることとなりました。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。