ネット上のコミュニティやSNS上には、「10平米以下のプレハブなら確認申請は要らないから安く住める」という情報が散見されます。しかし、これは危険な誤解です。
建築基準法第6条第2項において、防火地域および準防火地域内に建物を建築・増築する場合は、たとえ床面積が1平米であっても建築確認申請が義務付けられています。無指定地域であっても、更地に新設する場合は面積に関わらず新築扱いとなり、申請を怠れば是正命令や除却(解体)命令の対象となる違法建築物になってしまいます。
さらに見過ごされがちなのが、基礎の施工要件です。「敷地にコンクリートブロックを敷いてプレハブを載せるだけ」という手法は、法律上「仮設建築物」あるいは物置扱いでしか認められません。住居として登記し、火災保険に加入し、適法なインフラを引くためには、地盤調査に基づいた鉄筋コンクリート造の布基礎またはベタ基礎で地面と緊結しなければなりません。基礎を省略して安く済ませるという裏技は、定住用の住居においては通用しないのが制度上の鉄則です。
法定耐用年数の観点でも冷静な視点が求められます。軽量鉄骨造プレハブ住宅(骨格材肉厚3mm以下)の法定耐用年数は19年、3mm超4mm以下で27年です。一般的な木造軸組住宅の22年と比較して極端に劣るわけではありませんが、適切な外壁シーリングの打ち替えや屋根の防錆塗装を7〜10年周期で施さなければ、鉄骨の腐食が急速に進行します。「初期費用が安いからメンテナンスも放置でいい」と考えていると、15年足らずで雨漏りや躯体の歪みに見舞われることになります。