2011年6月、二人が都内の区役所に婚姻届を提出したというニュースが報じられた際、世間を支配したのは祝福ではなく、激しい不信感と嫌悪感でした。45歳差という数字は、昭和・平成の芸能界における年の差婚の歴史を塗り替えるレベルの開きであり、一般社会の常識的な感覚を大きく揺さぶったからです。
特に当時のインターネット掲示板やSNSでは、加藤綾菜さん個人に対する容赦のない中傷が吹き荒れました。ブログにアップされた手料理の写真に対して「揚げ物ばかりで夫の寿命を縮めようとしている」「毒入り料理」といった根拠のない誹謗中傷が殺到。自宅マンションにはカミソリ入りの脅迫状が送りつけられ、自転車が木に吊るされるといった悪質な嫌がらせにまで発展しました。
当時の特番インタビューや自著・手記で語られた「外出するのが怖く、誰を見ても敵に見えた」という綾菜さんの生の告白は、当時の加熱した過剰報道と集団ヒステリーの凄まじさを物語っています。20代前半の女性が耐えるにはあまりに過酷な環境でありながら、加藤茶さんは「時間が経てば世間は必ず分かってくれる」と彼女を抱きしめ、二人で耐え忍ぶ日々が続きました。