「赤ちゃんの顔を描いたはずなのに、なぜか哀愁漂う大人の顔になってしまう」という失敗には、明確な構造的原因が存在します。動物行動学者コンラート・ローレンツが提唱した「ベビーシェマ(赤ちゃんの身体的特徴が周囲の保護意欲を刺激する心理的生得機構)」を観察すると、大人の顔立ちとの決定的な違いが浮き彫りになります。
大人の顔は目・鼻・口が頭部全体に対して均等に分散していますが、赤ちゃんの頭蓋骨は脳の発達に対して顔面骨(顎まわり)が非常に未発達です。そのため、顔の縦幅全体のうち上部約70%はおでこ・頭部が占め、目・鼻・口の全パーツは下部30%の狭いエリアに密集しています。
初心者が陥りがちな最大のミスは、円を描いた後にその中央付近に目を配置してしまうことです。中央に目を置いた瞬間に大人の骨格比率が完成し、そこへふっくらした輪郭を付け足そうとすると、二重顎の中年男性に見えてしまいます。赤ちゃん顔イラスト簡単に仕上げる鉄則は、「パーツを極限まで下げること」、これに尽きます。