次期総理候補の筆頭として永田町関係者の視線を釘付けにしているのが、高市早苗氏と小泉進次郎氏の2人です。両者の政治スタイル、経歴、そして背後にある支持母体の性格は好対照を成しています。
高市氏は経済安全保障担当相をはじめ、総務相を歴代最長期間務めた豊富な閣僚経験を誇ります。自著や過去の単独インタビューにおいて「国力とは外交力、軍事力、経済力、技術力、そして人間力の総合である」と断言してきた通り、ブレない国家観と骨太な経済政策が岩盤保守層を惹きつけて離しません。前回の自民党総裁選では第1回投票で党員票・議員票ともにトップに立ちながら、決選投票で僅差で敗れた経緯があります。その雪辱を期すべく、全国の地方組織や民間シンクタンクとの対話を重ね、政策のブラッシュアップに余念がありません。
一方、小泉進次郎氏が総理候補に推される最大の理由は、衆参選挙を勝ち抜くための「圧倒的な知名度と刷新感」です。父・小泉純一郎元首相譲りの演説力と大衆を惹きつけるパフォーマンスは、無党派層や若年層に対して抜群の訴求力を持ちます。前回の総裁選では、労働市場改革やライドシェア解禁といった踏み込んだ改革提言が物議を醸し、一部の慎重派議員から「時期尚早」とブレーキをかけられました。しかし、自民党が下野の危機に怯える局面になればなるほど、「選挙の顔」としての進次郎待望論は加速度的に跳ね上がります。
自民党幹部の一人は、オフレコ取材に対し「政策の緻密さで勝負する高市氏と、風を起こして局面を打開する小泉氏。どちらを党の看板に据えるかで、自民党が目指す将来像そのものが180度変わる」と明かしています。水面下では両陣営による中間派議員の切り崩し工作が日々激化しています。