この美術館の真骨頂は、絵画だけにとどまらない。地下の深部へ足を踏み入れると、そこはあたかも古代遺跡の内部に迷い込んだかのような考古学の世界へと変貌する。古代エジプトのレリーフや出土品、オリエント文明の遺物、そしてマヤやインカといった中南米のプレ・コロンビア美術が、重厚な空気感の中で展示されている。
特筆すべきは、単なる資料陳列にとどまらず、古代人の精神性や世界観にまで深く迫る展示構成だ。数千年の時を超えて運ばれてきた土器や石彫の数々は、現代を生きる私たちに「人間と自然」「光と命」の関わりを静かに問いかけてくる。薄暗い展示室の中でスポットライトに浮かび上がる造形は、神秘的な美しさを放っている。