2005年10月期のTBS金曜ドラマ枠で『花より男子』がスタートした当時、小栗旬の当時の年齢は22歳でした。子役出身の実力派として『GTO』や『Summer Snow』、『ごくせん』などで着実にキャリアを重ねていたものの、当時の彼は尖ったアウトロー役や骨太な青年役を好む傾向にあり、少女漫画の「完璧な白馬の王子様」を演じることには強い抵抗感を抱いていました。
制作を手掛けたTBSの瀬戸口克陽プロデューサー陣が花沢類役に小栗旬を熱望した花男のキャスティング理由には、明確な狙いがありました。単なる甘いイケメンではなく、類が抱える孤独感や影、独特の気だるさと芯の強さを繊細に表現できる演技力が不可欠だったためです。
出演を躊躇していた小栗の背中を押したのは、大の原作ファンであった実の姉と母親の一言でした。「類はお前じゃないけど、絶対にやったほうがいい」「原作のイメージを壊さないでよ」という身内からの厳しい愛ある叱咤激励を受け、小栗は覚悟を決めてオファーを受諾。結果として、原作ファンをも唸らせる唯一無二の花沢類像を構築することに成功しました。