冷徹なテロリストでありながら、公開から15年以上が経過した現在も「歴代屈指のかっこいいキャラクター」として名を挙げられるアイリッシュ。その人気の理由は、徹底したプロフェッショナリズムと、組織の人間でありながら持ち合わせていた「情」の深さにあります。
目的のためには手段を選ばない冷酷さを持つ一方で、松本管理官を殺害せず山中の山小屋に生かしたまま拘束していた点(結果的に警察の追跡を許すリスクを背負った)や、恩人であるピスコへの情義を最後まで貫いた姿は、血も涙もないジンとは鮮やかな対比を描いていました。己の美学に従って生き、己の信念のために散っていったその潔さが、観客の心を捉えて離さないのです。