ネット上の掲示板やSNSでは、信州大学教育学部附属松本中学校に関して誤った認識が散見されます。入学後に後悔しないためにも、3つの代表的な誤解を解いておく必要があります。
第1の誤解は、「信州大学へそのまま進学できるエスカレーター校である」という思い込みです。本校はあくまで中学校単体の教育機関であり、附属高校すら併設されていません。当然ながら信州大学への特別推薦枠などは存在せず、全員が高校受験、そしてその先の大学入試を一般生と同じ条件で突破しなければなりません。
第2の誤解は、「附属中に合格すれば松本深志高校への進学が約束される」という神話です。これこそが保護者が最も直面する最大の盲点といえます。長野県の公立高校入試選抜においては、中3次の内申点(調査書評定)が合否を決定づける極めて重いウェイトを占めます。附属中学校は学力優秀層が極端に密集しているため、相対評価の要素が絡む校内テストにおいて平均点付近にとどまった場合、公立中学校であれば「4」や「5」がつく実力があっても「3」に沈んでしまう現象が構造的に発生します。内申点が伸び悩んだ結果、実力テストの点数が高くても深志の出願を断念せざるを得ないケースは決して珍しくありません。
第3の誤解は、「教育実習生の授業が多く学力低下を招く」という懸念です。確かに教育学部の実習期間中は実習生が教壇に立つ頻度が増えます。しかし、大学教官や現役教員の綿密な指導案に基づいた授業が行われるため、内容が粗雑になるわけではありません。むしろ教育実験的なアクティブ・ラーニングに触れる機会が多く、主体的に学ぶ姿勢を持つ生徒にとっては大きな知覚の刺激となっています。
なお、信州大学附属松本中学校の制服と校風についても触れておきます。指定の標準服(式服)は存在するものの、普段の学校生活では私服登校が広く認められており、生徒の自主自立を重んじるリベラルな空気が校風の根底に流れています。校則による過度な締め付けがない分、自由に伴う自己責任が強く求められる環境です。