和食や中華の伝統的技法において、長ネギの青い部分は肉類の「臭み消し(香味野菜)」として重宝されてきました。豚の角煮を作る際、豚バラ肉の下茹で時に青い部分と生姜を投入するのは、ネギに含まれる揮発性成分が肉の酸化臭やトリメチルアミンなどの不快臭をマスキング・中和するためです。
しかし、煮込み終わった青い部分をそのまま廃棄するのは現代の調理設計としては不十分です。臭みを吸着した出汁用の葉は役目を終えますが、「最初から刻んで具材として一緒に煮込む」あるいは「スープの具材として煮溶かす」ことで、臭み消しと栄養摂取を同時に完結させることができます。
例えば、鶏ガラスープをベースに溶き卵とごま油を合わせた中華風の長ネギスープでは、青い部分を薄切りにして2〜3分煮立てるだけで、程よい歯ごたえを残した具沢山スープへと進化します。豚の角煮の煮汁を再利用し、細かく刻んだ青い部分を加えて軽く煮詰めるだけでも、極上の肉ネギ餡が出来上がります。