週末の賑わいとは対照的に、平日の午前中はまるで別天地のような静寂が支配する。近年増えているのが、ノートPCを鞄に忍ばせて訪れるリモートワーカーたちの姿だ。開放的な休憩スペースで午前中のタスクを片付け、昼下がりに一番風呂を浴びる。そんな柔軟な時間の使い方が、ここ阿波の地でも自然に定着しつつある。
Wi-Fi環境や快適な休憩処を備えつつも、施設全体に漂う空気はあくまで穏やか。煮詰まった思考をほぐすのに、良質な湯以上の処方箋はない。オンとオフの境界線をあいまいにしながら、暮らしの中に温泉を溶け込ませる。2026年らしい新しい「湯治」のスタイルが、この場所で静かに花開いている。