松屋のビビン丼がレギュラーメニューから姿を消したのは、2019年5月のことでした。当時、公式SNSや店頭で突如として告知された終売の一報は、ネット上で「平成の終わりとともにビビン丼も終わるのか」「松屋に行く理由がなくなった」と大きな悲鳴を生み出しました。
長年愛された看板メニューが終売となった最大の理由は、厨房オペレーションの効率化と新規メニュー導入に伴うグランドメニューの統廃合でした。当時、松屋フーズは定食メニューの拡充や季節限定フェアの回転率向上を推進しており、仕込み工程が他の丼ものと異なるビビン丼は、惜しまれつつも整理の対象となったのです。
しかし、ファンの熱量は外食企業の想定をはるかに上回っていました。終売からわずか数カ月後、2019年秋に開催された「第2回松屋復刻メニュー総選挙」において、ビビン丼は他メニューを大きく引き離して堂々の第1位に輝きます。この圧倒的な支持を受け、松屋は同年秋に期間限定でのスピード復活を決定。以降、ビビン丼は「常設メニュー」から「登場するたびにSNSが沸くイベント型キラーコンテンツ」へと戦略的に位置づけを変えることになりました。