ネット発の音楽ムーブメントにおいて、ビジュアルの存在感は楽曲そのもののヒットを左右する決定打となります。その潮流を決定づけたのが、一連の寺田てらMVイラスト群です。
黎明期の金字塔となったのが、2018年発表のナナヲアカリダダダダ天使イラストでした。一度聴いたら耳から離れないリフレインとシンクロするように、躁的で愛らしく、しかしどこか情緒不安定な少女像をポップに具現化。SNS上でのファンアート投稿ブームに火をつけました。
この協業関係が頂点に達したのが、2020年公開のチューリングラブイラスト(ナナヲアカリ feat. Sou)です。男女ペアのコミカルなダンスポーズと大胆な幾何学スプリット画面はTikTokやYouTube Shortsで無数の「踊ってみた」「描いてみた」動画を生み出し、関連動画を含めた総再生数は億単位を記録。寺田てらイラスト代表作としての地位を不動のものにしました。
さらに2021年には、テレビドラマの主題歌にも起用されたAdoの『阿修羅ちゃん』でメインビジュアルを担当。怒りや情熱を内包したダークヒーロー的キャラクターをショッキングピンクやシアンの鋭利な配色で描き出し、サブカルチャーの枠組みを完全に突破してマス層へその名を轟かせました。