子供が顔に怪我を負った際、最初の数十分から数時間の対処が将来残る傷跡の見た目を大きく左右します。慌てて昔ながらの救急処置を行うと、かえって傷跡を目立たせるリスクを招きます。
まず行うべきは、清潔な流水(水道水)で傷口をしっかりと洗い流すことです。砂や異物が傷口に残ったまま塞がると、「外傷性刺青」と呼ばれる青黒い沈着を起こし、後からレーザーで除去しなければならなくなります。また、市販の消毒液を流し込む行為は厳禁です。消毒液は細菌だけでなく、傷を修復しようとする正常な細胞まで傷つけてしまうため、かえって組織の治癒を遅らせます。
出血がある場合は清潔なガーゼやティッシュで傷口を数分間圧迫止血し、速やかに医療機関を受診します。ここで多くの保護者が迷うのが「何科を受診すべきか」という点です。
結論として、顔の傷跡を最も綺麗に治したい場合は「形成外科」一択です。小児科は全身疾患の内科的診断、皮膚科は湿疹やアレルギーなど皮膚病変の治療が主領域ですが、形成外科は「傷跡の美しさ・目立ちにくさ」に特化した外科学の一分野です。夜間救急などでやむを得ず他科の当直医に一次処置を受けた場合でも、翌日には形成外科を紹介してもらい、傷口の再評価を受ける選択が極めて賢明です。