病院で処方される胃薬は、主に4つの系統に分類されます。医師は問診や内視鏡検査(胃カメラ)の結果から、「胃酸の分泌が過剰なのか」「胃を守るバリア機能が落ちているのか」「胃の蠕動(ぜんどう)運動が低下しているのか」を見極めて処方薬を決定します。
主な処方薬の分類と代表的な薬剤名は以下の通りです。
1. PPI(プロトンポンプ阻害薬)/P-CAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)
胃酸を分泌する最終段階の酵素をブロックし、最も強力に胃酸を抑えます。代表薬にはネキシウム(一般名:エソメプラゾール)、タケプロン(ランソプラゾール)、パリエット(ラベプラゾール)、そして新世代のタケキャブ(ボノプラザン)があります。
2. H2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)
胃酸分泌のシグナルを遮断し、速やかに酸を抑える薬剤です。代表薬はガスター(ファモチジン)やプロテカジン(ラフチジン)です。即効性に優れており、夜間の胃痛などに広く用いられます。
3. 胃粘膜保護薬
傷ついた胃壁を覆って保護し、粘液の分泌を促進して修復を早めます。代表薬はムコスタ(レバミピド)やセルベックス(テプレノン)、アルサルミン(スクラルファート)です。解熱鎮痛薬(NSAIDs)による胃荒れ防止としても頻繁に併用されます。
4. 消化管運動機能改善薬・漢方薬
胃の動きを活発にして食べ物の排出を促すガスモチン(モサプリド)やナウゼリン(ドンペリドン)、機能性ディスペプシアに保険適用がある六君子湯(リックンシトウ)やアコファイド(アコチアミド)が該当します。