近年の股関節手術における最大の進歩の一つが、筋肉や腱を切離せずに温存する最小侵襲手術(MIS:Minimally Invasive Surgery)の確立です。前側方アプローチ(ALMIS)や前方アプローチ(AMIS)を用いることで、術後の筋力低下を抑え、脱臼リスクを大幅に低減できるようになりました。
この手技の進化は、患者の負担軽減に直結しています。従来の股関節手術では1ヶ月前後の入院が必要でしたが、現在の股関節手術の入院期間は多くの専門病院で1週間から2週間程度、施設によっては数日での退院プランを提示するところも登場しています。
入院期間の短縮は経済的な負担軽減にも寄与します。高額療養費制度を利用すれば医療費の自己負担上限は抑えられますが、差額ベッド代や日用品費は全額自己負担となるため、早期退院はトータル費用の圧縮につながります。退院後の股関節リハビリの期間や費用についても、通院リハビリと自宅での自主トレーニングを組み合わせることで、日常生活への早期復帰が現実的なものとなっています。