1970年代のキングストンで、ミキシング・コンソールを楽器へと昇華させた天才がKing Tubby(キング・タビー)だ。ヴォーカルを取り去り、ディレイとリバーブを自在に操って空間を削り出す彼のダブ(Dub)サウンドは、後のヒップホップやハウス、あらゆるクラブミュージックの原点となった。
ミキサーのフェーダーひとつで楽曲の表情を劇的に変える実験精神。ダブストアが手掛ける再発盤では、キング・タビーの極小工房スタジオで生み出された低音のうねりや、鋭く切り込むエコーの飛散が見事に盤面へと刻まれている。スピーカーから放射されるその音圧は、ストリーミング配信では決して味わえない立体的な音像体験をコレクターに約束する。