「ファクトチェックそのものが偏向しているのではないか」――これは、日本のファクトチェック黎明期から現在に至るまで、SNS上で最も苛烈に投げかけられてきた疑問符です。特に日本ファクトチェックセンター(JFC)が2022年秋に発足して以降、大手メディアや政治家の言論に対する検証結果が発表されるたびに、左右を問わず激しい議論が巻き起こってきました。
ネット上で囁かれる「JFC 評判」の毀誉褒貶を冷静に紐解くと、批判の論点は大きく2つに集約されます。第1に「検証対象(言説)の不均衡さ」、第2に「判定基準のグラデーション」です。記者会見やシンポジウムで関係者が語ったところによると、日本国内のファクトチェック機関が扱う言説は「社会的影響の大きさ」と「客観的事実としての検証可能性」を基準に選定されています。しかし、政治的対立が鋭いテーマにおいては、どの言説を取り上げ、どれをスルーしたかという初動の段階そのものが「作為的」と受け取られがちです。
さらに、読者の心理に火をつけるのが判定レーベルの曖昧さです。「誤り」「不正確」「ミスリード」といった国際基準に準じたラベリングを採用しているものの、受け手側は「自分たちが信じたい言説を一方的に断罪された」と感じやすく、確証バイアスも手伝って「ファクトチェック 偏向」というレッテル貼りが瞬く間に拡散してしまう構図が定着しています。