こうした猟奇的ともいえる事件がSNSや掲示板で話題になると、「なぜ隙を見て逃げなかったのか」「すぐに警察に駆け込めばよかったのではないか」といった被害者バッシングに近い誤解や安易な意見が散見されます。
しかし、犯罪被害心理学の専門家によると、極限状態に置かれた被害者は「逃げたらさらに過酷な暴力を受ける」「家族や周囲に危害が及ぶかもしれない」という強い恐怖により、脳の防衛機制として学習性無力感(何をしても状況は変わらないと思い込む心理状態)に陥ります。外見上は逃走可能な状況に見えても、内面的には思考停止状態に追い込まれており、自発的な脱出行動を起こすエネルギーそのものが奪われているのが実態です。
ネット上の表面的な断片情報だけで被害者の行動を批判することは、二次加害につながる危険性があり、正確な心理メカニズムへの理解が求められます。