超急性期治療を乗り越えた後に直面するのが、後遺症とリハビリテーションの過酷な道のりです。心原性脳梗塞は虚血範囲が広大になる傾向があるため、片麻痺(半身不随)、失語症、嚥下障害、高次脳機能障害など、日常生活動作(ADL)を著しく制限する障害が残りやすいのが実情です。
近年の脳卒中ケアでは、集中治療室(ICU)にいる段階からベッドサイドでの超早期リハビリテーションが開始されます。脳の神経ネットワークには損傷を受けた部分を他の神経回路が代行する「可塑性」が備わっており、発症後数週間から数ヶ月以内の集中的な訓練が回復度合いを決定づけます。
運動機能の回復を目指す理学療法(PT)、日常動作を取り戻す作業療法(OT)、言葉や飲み込みを改善する言語聴覚療法(ST)をチームで連携させ、急性期から回復期リハビリテーション病院へと切れ目なく移行することが、社会復帰への現実的なロードマップとなります。