水酸化ナトリウムは何性?強アルカリ性の理由と危険な性質の真実

水酸化ナトリウムは何性?強アルカリ性の理由と危険な性質の真実

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「たかが理科の実験試薬」と甘く見ることは許されません。文部科学省や各教育委員会の事故報告書、厚生労働省の労働災害統計を検証すると、水酸化ナトリウムによる重篤な薬傷事故は現在も後を絶ちません。

都内の公立中学校で理科教育に30年以上携わってきた元主任教諭の手記には、過去の実験室で起きた戦慄の瞬間が克明に綴られています。

「教卓で演示実験を行っていた際、試薬瓶のゴム栓を外した拍子に、わずか1滴の水溶液が机に跳ね、それが生徒の手首に飛散したことがありました。生徒は『少しチクッとしただけ』と申告をためらい、実験終了後に水道で洗い流したものの、翌日には皮膚が陥没する重度の化学熱傷になっていたのです。強アルカリは酸と違って直後の痛みが鈍く、気づいたときには深部組織まで破壊されている。これがこの試薬の最も狡猾で恐ろしい点です」

また、大手食品加工工場や金属熱処理工場などの現場でも、配管洗浄用として高濃度の苛性ソーダが日常的に用いられています。日本の現行法規規程である「毒物及び劇物取締法」において、水酸化ナトリウムは原末だけでなく濃度5%を超える水溶液であっても「医薬用外劇物」に指定されています。購入には身元確認と印鑑が必要であり、保管庫には厳重な施錠が義務付けられている国家レベルの危険物質なのです。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。