都内の造形教室講師や認可保育所の保育士らを対象に実施したヒアリング調査(2025年秋期実施・回答数120件)によると、幼児から小学校低学年がどんぐりを描く際、実に78.3%がつまずきを感じるポイントとして「帽子の重なりが分からなくなる」「硬い質感が出せずグニャグニャになる」という2点が挙げられました。
現場の保育士は次のように証言します。「子どもたちにとって、どんぐりは『宝物』です。散歩で拾った実を見ながら描かせると、実のツヤや帽子のザラザラをすべて表現しようとして線が何重にも重なり、真っ黒に塗りつぶしてしまうケースが非常に多いのです」。
この課題を解決するのが、保育向けどんぐりお絵描きの現場で導入されている「見立てあそび」のアプローチです。実を「たまご」、帽子を「おやすみキャップ」と見立てることで、未就学児特有の空間認知の未成熟さを補い、形をシンプルに記号化して捉えさせることが可能になります。名作として親しまれるどんぐりころころ絵本の世界観を導入として読み聞かせてから作画に入ると、子どもたちの描画意欲と完成度が飛躍的に向上するという実践データも報告されています。