ネット上の情報だけを信じて通報を行っても、実際には1円も受け取れないケースがほとんどです。行政情報公開請求や関係者の証言から見えてくる「報償金が交付されない主な理由」を整理します。
すでに当局が把握している情報だった
入国管理局(現・出入国在留管理庁)や警察は、独自の査察や定期的な在留管理システムを通じてオーバーステイ事案を常時追跡しています。通報者が「有力な新情報」だと思って持ち込んでも、すでに捜査対象としてリストアップされていた場合は「通報に基づいた摘発」とみなされず、報償金は不支給となります。
公務員や業務上の通報義務に該当する立場である
入管法第66条第1項ただし書には、「通報が公務員の職務として行われたものであるときは、この限りでない」と明記されています。警察官、自治体職員、入国警備官などは当然ながら対象外です。また、自社の不法就労を隠蔽した上で密告しようとする悪質な雇用主など、信義則に反するケースも排除されます。
退去強制令書が出ずに手続きが終了した
通報をきっかけに対象者が摘発されたとしても、日本人配偶者がいるなどの人道的な理由によって「在留特別許可」が付与されたり、難民認定申請を行って送還が停止されたりした場合、退去強制令書は発付されません。この場合も法律上の支給要件を満たさないことになります。