都城に来て肉を食べずに帰るなど、あり得ない。創業40年を超える老舗肉卸が直営する食堂で昼限定で提供される「宮崎牛赤身サイコロステーキ重」は、開店前から長蛇の列ができる名物メニューだ。熱々の鉄板から立ち上る煙と、ジューッと弾ける脂の音。それだけで白飯が食えそうなほどの臨場感である。
噛みしめた瞬間に溢れ出す濃厚な赤身の旨味。他県なら倍の値段を出してもおかしくないクオリティだ。「ウチは一頭買いだからね。良い肉を安く出すのが地元への恩返し」。店主の無骨な笑顔と、お重を埋め尽くす肉のカーペット。自家製のタマネギ醤油ダレが肉汁と絡み合い、箸を止めるタイミングを見失ってしまう。