長年にわたる物語の中で、この技は幾度もの進化を遂げてきた。鳥山氏が作劇において最も重視していたのは、「技自体の派手さ」ではなく「放つ者の精神状態と気の凝縮率」という極秘設定だ。単にエネルギー量を増やすのではなく、いかに極小のポイントへ集中させ、瞬時に解放するか。ここに歴代形態の威力の秘密がある。
原点となる無印時代の「足撃かめはめ波」や天下一武道会での機転から、サイヤ人編でベジータのギャリック砲を押し返した命がけの「界王拳4倍かめはめ波」。そしてセル編で見せた、瞬間移動と組み合わせたゼロ距離射撃や、親子の魂が共鳴した「親子かめはめ波」。形態ごとの威力と戦術的完成度を比較すると、悟空の戦士としての成熟度が鮮やかに浮かび上がる。
さらに近年では、身勝手の極意へと至る過程で、ケフラの猛攻の上を光弾でスライドしながら放った一撃が世界中のファンを唸らせた。破壊力だけでなく、流れるような体術と気の完全なる調和。鳥山氏がノートに描き殴った構想の数々は、技を進化させるたびに「強さの定義」そのものを塗り替えていった。