宿泊型観光へのシフトに伴い、奈良の「朝食」が脚光を浴びている。その中心にあるのが、東大寺の修二会(お水取り)に由来するとも言われる「大和茶粥」だ。ほうじ茶で炊き上げたさらりとしたお粥は、香ばしさと優しい味わいが胃の腑に染み渡る。
朝の光が差し込む老舗旅館やモダンなカフェでは、炊きたての茶粥を中心に、季節の小鉢や焼きたての出汁巻き卵、削りたての鰹節が整然と並ぶ。慌ただしい日常から離れ、奈良公園の鹿の鳴き声や寺院の鐘の音に耳を澄ませながら味わう朝食は、心身をリセットする極上の体験として評判を呼んでいる。