地域に根差した社が突如として国際的な脚光を浴びたのは、米国の主要ニュース専門局CNNが2015年に発表した「日本の最も美しい場所31選」への選出がきっかけだった。名だたる古刹や世界遺産と肩を並べ、無名の半島に位置する神社が世界中に配信されたのである。
直後からInstagramをはじめとするソーシャルメディア上で画像が爆発的に拡散した。青い海、黒い岩礁、そして鮮烈な赤の対比は、スマートフォンの画面越しに世界中の旅行者の視覚を直撃した。山口県観光連盟の試算でも、それまで静寂に包まれていた長門市の観光業に極めて大きな経済波及効果がもたらされたことが記録されている。静かな祈りの空間は、瞬く間に世界が熱望する目的地へと塗り替えられた。