インターネット上の掲示板やSNSで頻繁に囁かれる「キャナルシティ博多の解体説」。この噂の直接的な引き金となったのは、施設東側に位置していた別館「イーストビル」の営業終了と解体工事です。現地を訪れた旅行者が、巨大な仮囲いで覆われた区画を目撃し、「キャナル全体が取り壊されている」と誤認して発信した情報が拡散した経緯があります。
運営会社である福岡地所の開示資料および開発計画の経緯を整理すると、建て替えの対象は敷地全体ではなく、約1.3ヘクタールにおよぶイーストビル跡地です。2011年に増床オープンした同ビルは、ファストファッションの旗艦店などを集積して話題を集めましたが、開業から約12年が経過した2023年5月をもって営業を終了しました。
この建て替え理由の根底にあるのは、福岡市が進める都市更新構想と、隣接エリアの交通インフラ激変です。福岡地所は、単なる物販中心の商業ビルから脱却し、ハイクラス賃貸住宅や短期滞在型レジデンス、先端商業機能を融合させた複合施設への刷新を掲げています。1996年4月の開業から30周年を迎えた2026年現在、キャナルシティ博多は「博多運河城」としての歴史的アイコン性を保ちながら、次世代型ミクストユース施設へと舵を切った過渡期にあります。