日常的に見られる「青い筋が透けて見える状態」と、「コブのようにボコボコと蛇行している状態」とでは、医学的な意味合いが大きく異なります。単に青く透けて見えるだけであれば、皮膚が色白であることや皮下脂肪が薄いことによる生理的特徴に過ぎないケースがほとんどです。
一方で、注意深く観察しなければならないのは、局所的な隆起や痛みを伴うケースです。特に以下の症状が現れている場合は、速やかな専門医の受診が推奨されます。
まず疑われるのが、上肢静脈瘤(じょうしじょうみゃくりゅう)です。下肢静脈瘤に比べると発生頻度は低いものの、腕の静脈内にある逆流防止弁が壊れることで血液が逆流・停滞し、血管が瘤(こぶ)状にボコボコと蛇行して膨らみます。重だるさや疲労感を伴うことが特徴です。
次に、腕の血管周辺がピリピリと痛む場合は、表在性血栓性静脈炎(ひょうざいせいけっせんせいじょうみゃくえん)や末梢神経の絞扼が疑われます。点滴の留置後や軽微な外傷、あるいは過度な負荷がかかった後に血管沿いに硬いしこりが生じ、赤みや熱感、ズキズキ・ピリピリとした痛みを引き起こす事例が報告されています。また、首から腕へ伸びる神経や血管が圧迫される「胸郭出口症候群」によっても、腕の血流不全とともにピリピリとした神経痛が生じます。