中学2年の理科で登場する代表的な熱分解には、「酸化銀」のほかに「炭酸水素ナトリウム」があります。定期テストや模擬試験では、この2つの実験が比較問題として頻出します。
炭酸水素ナトリウム(重曹)の熱分解では、加熱によって炭酸ナトリウム(固体)、水(液体)、二酸化炭素(気体)の3種類が発生します。これに対して酸化銀の熱分解では、銀(固体)と酸素(気体)の2種類しか発生せず、液体(水)は一切生じません。
この違いは、実験装置の組み立て方に直結します。炭酸水素ナトリウムの加熱では、発生した水が加熱部分に逆流して試験管が割れるのを防ぐため、「試験管の口を底よりわずかに下げる」必要があります。しかし、酸化銀の熱分解では水が発生しないため、試験管の口を下げる必要はありません。ただし、いずれの実験においても「火を消す前にガラス管を水槽から抜く」という操作は共通の鉄則です。火を先に消すと試験管内の空気が冷えて気圧が下がり、水が逆流して試験管が破損する大事故につながるためです。