取材の現場で長年サッカー選手と家族の関係を追ってきたスポーツ記者たちの間では、明松さんの立ち位置について「極めて現代的で賢明なバランス感覚」と評する声が目立ちます。
海外で暮らす日本人フットボーラーにとって、異国の地での孤立やメンタル不調はパフォーマンスを直撃する最大の敵です。言葉の壁、厳しい気候、結果が出ない時の現地サポーターからの容赦ないバッシングに晒されるなかで、パートナーに求められる役割は計り知れません。しかし、明松さんは「夫の影としてすべてを犠牲にする」道を選びませんでした。
彼女は都内でのブランドプロデュースやPR業務の手を完全に止めることなく、自身のアイデンティティを保ったまま堂安選手をサポートしています。この適度な距離感と自己実現の維持こそが、閉塞感を生みがちな海外生活において、二人の間に新鮮で健全な風を吹き込んでいるのです。試合後、スタジアムを後にする堂安選手が見せる屈託のない笑顔には、家庭内に対等で温かな逃げ場が確保されていることの証拠が垣間見えます。