量産車の開発現場に心地よい緊張感をもたらしているのが、ホンダ・レーシング (HRC)の存在だ。F1をはじめとする世界のトップカテゴリーで培われた極限の軽量化技術、高電圧モーターの熱マネジメント、ミリ単位で空気を味方につけるエアロダイナミクス設計が、栃木の研究所を通じてダイレクトに量産モデルへフィードバックされている。
「極限のレース環境で通用しない理論は、一般道でも真の感動を生めない」。HRCのエンジニアと量産開発陣が机を並べて意見をぶつけ合い、モーターの出力特性やインバーター制御のアルゴリズムをゼロから見直す。レースのDNAを電気の時代へシームレスに受け継ぐ試みが、他社には決して真似のできないホンダ独自の走る歓びを生み出している。