彼女の女優としてのターニングポイントを語る上で欠かせないのが、邦画における代表作の数々だ。堤幸彦監督の映画『イニシエーション・ラブ』で見せた愛らしくもどこか謎めいたヒロイン像は、観客の予測を鮮やかに裏切り、映画界に強烈なインパクトを与えた。
一方、黒沢清監督の『旅のおわり世界のはじまり』では、ウズベキスタンを舞台に異国で佇む一人の女性の孤独と解放を見事に表現。カメラが捉える彼女の表情変化はセリフ以上に雄弁であり、国内外の批評家から絶賛を浴びた。映画というキャンバスの上で、彼女はただそこに存在するだけで物語を成立させる力を持っている。