代表作として知られる『やしろあずきの日常』は、彼自身の身の回りで起きるトラブルや家族との滑稽なやり取りを描いたシュールなギャグ漫画だ。一見すると勢い任せの落書きのようにも見えるが、コマ割りやオチへの導線には計算し尽くされた技術が潜んでいる。
ジャンルとしてはエッセイ漫画に分類されることが多い。しかし、実際の体験談をどこまで脚色し、どのタイミングでシュールなテンポに落とし込むかというセンスは天性のものだ。読者が「あるある」と共感した瞬間に突拍子もない不条理へと突き落とす展開が、強い中毒性を生んでいる。