画面の中で弾けるような笑顔を見せ、自由奔放に生きる赤名リカ。しかし、カメラが回っていない現場での鈴木保奈美は、孤独な葛藤の只中にいた。当時の彼女はまだ20代半ば。自己主張が激しく、時に愛ゆえに相手を追い詰めてしまうリカというキャラクターは、当時の日本社会における「理想の女性像」とはあまりにかけ離れていたからだ。
「こんなにストレートに感情をぶつけて、視聴者に嫌われないだろうか」。そんな不安が頭をよぎる夜もあったという。だが、監督やスタッフと連日連夜に及ぶ議論を重ねる中で、彼女は腹をくくった。表面的な可愛らしさに逃げるのではなく、リカの不器用なまでの純粋さを全身で演じ切る——。あの伝説的な笑顔の裏には、役に全てを捧げた一人の女優の覚悟が秘められていた。