多くの人が「世界3位のコメ生産国」として連想するのは、東南アジアのタイやベトナムかもしれない。しかし、最新統計で堂々3位の位置につけているのは、南アジアのバングラデシュだ。この事実は、世界の食糧生産地図における大きな地殻変動を示している。
国土面積が日本の約4割に過ぎないバングラデシュだが、年間約3800万トンを超える精米生産量を記録。インドネシアやベトナムを上回る規模へと急成長を遂げた。年に3回の収穫を行う「三期作」の定着と、高収量品種(HYV)の普及、そして井戸掘削による乾季灌漑の拡大が、劇的な増産をもたらした背景にある。
これに続く4位インドネシア、5位ベトナム、6位タイといった東南アジア各国の生産も堅調だ。しかし、激増する国内人口を養うための地産地消型農業へのシフトや、南アジア勢の追い上げにより、伝統的な輸出国のポジションにも変化の兆しが表れている。